工場勤務で必要とされる資格は数多くあります。
その中でも工場の管理者ポジションに就く場合、実際に運転操作するオペレータが必要とする資格(フォークリフト運転技能、玉掛け技能者など)とは違った資格を取得する必要があります。
また、資格を取得することで、転職活動に有利になります。(直接、使用することは無くても、資格取得のために努力する人なんだな、と思ってもらえる)
一定規模以上の工場では、最低一人以上は配置が必要な資格もあり、その資格を持つことで会社からの評価も上がることもあります。
私自身、大手の化学工場に勤務しており、その経験や業界の動向的に需要が高い資格6選を紹介していきたいと思います。
危険物取扱者(乙4、甲種)
危険物取扱者の資格は、国が定める危険物を取り扱う作業に従事する場合に、必要な資格です。この資格を持っているということは、該当の危険物に関する知識を持ち、適切に扱えることを証明できます。
危険物とは、消防法で定められた火災の危険性が高い物質のことで、医薬品や食品を扱う企業の他、ガソリンスタンドなどで危険物を取り扱う場合にも必要です。危険物には第1類~第6類までの六つの分類があり、危険物取扱者の資格は扱える危険物の種類によって、三つに分かれています。
大学卒で化学専攻の方は、危険物甲種を目指すことをおすすめします。(私自身、大手の化学業界におりますが、化学専攻の方は、まず最初に危険物の甲種を取りなさい、と言われておりました。)
専攻が機械や電気などの化学系以外の方はとりあえず乙4を取っていれば、問題ないかと思います。(必要になったら、別の類も取得するでok)
2級ボイラー技士の勉強方法については、過去の記事にまとめておりますので、そちらも参考にしていただければと思います。
衛生管理者
衛生管理者の資格は、衛生管理者は50人以上の従業員がいる工場や職場では最低でも1人は必要な労働安全衛生法で定められた国家資格です。
そのため、規模の大きめの工場や作業現場において需要があり、どの業界や職場でも重宝される、おすすめの資格の一つといえます。(特に課長やGr長といった管理職ポジションで需要があります。)
衛生管理者は、労働条件や労働環境の衛生面や疾病の予防措置などを担当することが主な業務です。
衛生管理者の免許には、第一種と第二種がありますが、工場関係であれば、第一種が必要になります。
(第二種は、有害業務と関連の少ない情報通信業、金融・保険業、卸売・小売業など一定の業種においてのみ対応しており、製造業などの工場では第一種が必要です。)
ボイラー技士
ボイラー技士は、ボイラーと呼ばれる蒸気発生装置や高温水発生装置の操作、保守、および管理に関する資格を指します。
ボイラーは工場や発電所、ビルで必ずと言っていいほど設置されており、需要のある資格と言えます。
ボイラー技士は”特級”、”1級”、”2級”の3つあり、以下のように分類されております。
- 特級ボイラー技士
特級ボイラー技士は、すべてのボイラーを取り扱うことができ、3種類の中で最もレベルの高い資格です。大規模なボイラーが設置してある工場や建設会社で活躍できます。
- 一級ボイラー技士
一級ボイラー技士は、ボイラーの電熱面積が25平方メートル以上、500平方メートル未満のボイラーを取り扱うことができ、貫流ボイラーの場合は、250平方メートル以上の場合に一級ボイラー技士の資格が必要となります。
- 二級ボイラー技士
二級ボイラー技士は、ボイラーの電熱面積が25平方メートル未満のボイラーを取り扱うことができ、貫流ボイラーの場合は、250平方メートル未満の場合、取り扱うことができます。
“特級”、”1級”を取得するには、2級を取得している必要があります。
大規模な工場では、特級・一級が必要な工場もありますが、二級で十分な場合がほとんどで、試験の難易度もそこまで高くないため、二級は取っておいて損は無いです。
2級ボイラー技士の勉強方法については、過去の記事にまとめておりますので、そちらも参考にしていただければと思います。
品質管理検定(QC検定)
品質管理検定(QC検定)は、品質管理についての知識をどれくらい有しているかを証明する資格です。
工場では(特に大手)ISO9001を認証を受けており、その取得のためには社内の品質マネジメントシステムが設けられ、品質を向上させるための仕組みが作られており、QC検定はその品質管理の考え方などを知識が問われる試験です。
品質管理検定は、1級から4級(準1級を含む)までの5つの級があります。(1級が最上位)
必要とされる級数は会社によって違いますが、3級以上を取得しておきたいです。
品質の管理に関する知識は、工場以外の業種においても必要とされるため、おすすめの資格です。
エネルギー管理士
エネルギー管理士は、工場の燃料や電気消費量におけるエネルギー使用量の監視や改善を指揮し、エネルギー利用の最適化を通じて組織が環境にやさしく、経済的に持続可能な方向に。
規定量以上のエネルギーを使用する工場には、その使用量に応じた人数のエネルギー管理者を置かねばならず、この業務はエネルギー管理士免状の交付を受けている者を選任できませんので、大きい工場ほど需要があります。
エネルギー管理士には熱と電気の2分野のどちらかを選択して受験することになりますが、どちらを選択しても、資格の効力に違いはありませんので、自身の得意な分野で取得することができます。
エネルギー管理士は試験の難易度が少々高く、多くの勉強時間が必要となります。危険物取扱者やボイラー技士の知識も一部問われるため、先にそれらを取得してから挑戦することをおすすめします。
エネルギー管理士の勉強方法については、過去の記事にまとめておりますので、そちらも参考にしていただければと思います。
TOEIC(英語力)
TOEICの必要性は会社の事業内容や事業エリア、配属によるところが大きいですが、グローバル展開をしている会社では、必要となる会社もあります。
海外事業を売りにしている会社でも生産拠点が国内であれば、就職や転職の際に必須となることは無い印象ですが、管理者の立場であれば、ある程度のスコアを要求されることもあります。(管理職昇進要件がTOEIC 600点以上ということがあったりします。)
また、最近では外国人労働者の人数も年々増えているため、やはり英語は今後はできるに越したことはないです。
まとめ
工場勤務(管理者)に役立つ おすすめ資格6選について解説しました。
工場には必要とされる資格は多々あり、職位が上位になるほど、求められる資格が増えていきます。
資格取得は知識が増えるだけでなく、転職で有利となったり、キャリアアップできたり、メリットがたくさんあります。
工場関係の資格に興味がある人は、ぜひ資格取得にチャレンジしてみてください。